2010年5月17日月曜日

NY 旅の記録  (from journey)

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☆ニューヨーク


5月上旬の1週間ほど、雑誌UOMOの撮影でニューヨークへ。1年半ぶりで3度目。初めて行ったのは1992年の冬で23歳の時、men'snon-noの撮影で。2回目は2008年の12月、映画ハッピーフライトの上映イベントで。2回とも寒い時期だったので厚着をしていてコートが重かった。ニューヨークの冬は寒い。1992年に行った時は街中のマンホールから白い蒸気が出ていて冬のニューヨークっぽい風景だったけど、2008年の冬は蒸気が出ているところは少なかった。とにかく地面から突き上げるような寒さ。
海外だとホテルでじっとしている事は無いのでとにかく一日中歩き回る。荷物は少なく軽く歩きやすい靴で。今回は暖かい季節なので軽装で動きやすかった。ニューヨークは活気があって世界の中心と言われるだけのエネルギーが感じられる。観光としては2〜3日あれば見て回れるし、ヨーロッパのように街中に気軽に入れるカフェがない、なのでお茶をするのにもちゃんとしたビルの中のお店に入らなければいけないので精神的にも体力的にもヨーロッパに比べるとビジーになるけど、やはりこの街の活気とエネルギーには魅かれる部分があります。

☆飛行機


出発は日本時間の午前11時。到着は現地時間の同日の午前11時、つまり出発と到着が同じ時間!時差が13時間あって飛行時間が13時間なのでそうなるのですが、ちょっと不思議な気分。日本から直行で行ける場所としては最も長い時間のフライトではないだろうか、ヨーロッパでも12時間台なので。
飛行機が離陸する午前11時はニューヨーク時間で夜の10時、離陸して3時間位して寝れば、NY時間で午前1時に寝たことになる。そして8時間眠れれば、午前9時に起きることになるので、現地時間の11時に到着すれば、そのまま時差を最小限に出来る。問題は離陸して3時間後は日本時間で午後2時なので、その時間に寝れるかということだったけど、前日の睡眠時間を5時間くらいにしておいたし、まあお酒を飲んで、いつでもどこでも10秒で眠れる体質なので、大丈夫でした。
到着してから帰国するまで、時差は無く過ごせました。日本に帰ってきてから2〜3日はちょっと時差を感じて昼夜逆転していましたが。帰ってきてから、朝にお菓子を食べたくなって、まあNYは夕方だし、と自分に言い聞かせて食べたり・・。


☆ホテル

 旅で大切なのはホテルの環境。海外ではホテルは眠りに帰ってくるだけで一日中外を歩き回りますが(リゾート地を除く)、やはり睡眠環境は大切。今回はBroadway,29th stのAceHotel。場所もミッドタウンのエンパイヤステートビルの近くで、アップタウンもダウンタウンも行きやすくて便利でした。リノベーションしたデザインホテルで、デザインホテルにありがちなプラスチッキーな質感ではなく、ウッディな感じでヨーロッパっぽくて落ち着けました。無線LANも無料。ロビーやB1で週末はクラブがあるらしく、いつもロビーはスノッブな人たちであふれ返っていました。ロビーにはいつもノートパソコンをテーブルに広げた男女が30人くらいいるんですが、95%MACなのがニューヨークっぽかったです。Big Apple,Manhattan,gotham.


☆街


92年には行ったのですが、08年には行かなかった自由の女神とエンパイヤステートビルに行きました。自由の女神はやはりテンションが上がります。存在感が凄い。マンハッタン下のバッテリーパークから船に乗って20分くらいで自由の女神があるリバティ島に到着。18年ぶりの再会でした。
エンパイヤステートビルも夜景を目当てに。昼間はチケットを買って上るまでに2時間待ちも珍しくないと聞いていたので、事前にネットでチケットを購入。チケットがあればチケットブースの列に並ばなくていいので、エレベーターに直行できるらしい。でも、行った時間が夜の12時くらいだったので(ビル自体は夜中の2時まで営業)、チケットブースもエレベーターも人はいなくて空いていました。
 夜景は、やはり素晴らしい。昔、ハドソン川を渡った隣のニュージャージーから見たマンハッタンの夜景も素晴らしかったですが、マンハッタンのど真ん中で見る夜景もアンビリーバブルです。

 他の日にロックフェラーセンターのtop of rockにも登りましたが、ここから見る昼間のNYの景色も圧巻でした。NYは氷河期の岩盤で出来ているので、地面も平坦で、その中に大きく存在するセントラルパークの緑がいいアクセントになっています。本当にエネルギーのかたまりみたいな街です。




☆ブロードウェイ

 ブロードウェイは道路の名前で、国道一号線みたいな物ですが、ブロードウェイと42-45stが交差するあたりがタイムズスクエアで、ミュージカル劇場が集まっています。前回来た時に「オペラ座の怪人」や「シカゴ」を見ました。ブロードウェイミュージカルを見るのは前回が初めてだったのですが、その表現力や構成などに感動しました。なので、今回もミュージカルを見たいと思って事前に日本で「リトルダンサー(邦題)」という映画を見て、現地で「ビリーエリオット(原題)」というミュージカルを見ました。全ての出演者、子供たちが素晴らしく、ほんっとーに感動しました。主人公の友達の最後のセリフ「ヘイ、ダンシングボーイ」のセリフで涙が。笑いあり感動有りでお勧めです(映画は絶対に見てから行ったほうがいいです)。
ミュージカルはTKTSというディスカウントチケット屋さんで半額ぐらいでチケットが売っているんですが、本当に好きな人ならば、劇場の窓口で正規の値段ですが、買ったほうが少しでもいい席がとれます。それで芝居の印象が大分違うので。他にアベニューQという芝居も観たかったのですが、ブロードウェイでは終わっていて、オフブロードウェイに戻っていました。他のミュージカルを見る時間は無かったのですが、マンハッタンの近くの島でシルク・ド・ソレイユの新作がやっていたので船に乗って見に行きました。昆虫をテーマにした新作で、サーカス小屋独特の不思議な雰囲気が楽しかったです。ミュージカルもサーカスも夜の公演は23時くらいに終わるのですが、子供たちがいっぱい見に来ていたのが印象的でした。


☆撮影

今回は雑誌UOMOのコーチ特集の撮影でNYへ。コーチのmen'sの路面店が初めて出来たらしいです。お世辞抜きで最近のコーチのバッグはいいです。革の質感もいいし、デザインもシンプルだけど味があって、値段も丁度よくて、普段持ちやすい感じです。ある程度の年齢になるとバッグ選びは難しくなってきますが、これなら大丈夫。アメリカ発の歴史と信頼のあるブランドなので安心感もあります。
 撮影ではいろんな所に行きました。今回は僕も一眼レフカメラを持っていったので、撮影の合間や自由時間に自分でカメラを構えて写真を撮りました。僕たちが普段イメージするNYも、実際には人々が普通に生活している街なので、そういう風景を撮るのが面白かったです。エンパイヤステートビルから見える街に暮らす人々の日常の風景、生活感、息吹。



☆iPad

仕事以外での今回の最大の目的でした。日本では5月下旬の発売なので、ひと足早く。アメリカ版を買っておけばアメリカに来た時にこっちの3G回線で使えるので。日本では日本版を買うとして。で、結果としてはNY滞在中は売り切れで買えませんでした・・・。
 NYに到着して直ぐにSOHOのApple Storeへ。売り切れ。店員さんに聞いてみると予約が必要とのこと。早速予約、入荷したらメールでお知らせが来るようです。他にも3店舗のApple Storeに行きましたが見事に売り切れ。欲しかった・・。だれかのキャンセルや入荷があるかもしれないと思い、たびたびapple storeやbest buyに行ったんですがありませんでした。13日に成田に帰国して直ぐに「入荷したので5番街のApple storeに取りに来てください」とのメールが・・・・
仕事で50ページくらいのPDFやWARDのデータが来ることがあるんですが、一回読むだけの書類なのでプリントするのももったいないし、パソコンの画面で50ページ読むのは体勢的に疲れるし、iPadだと手のひらの中で(本みたいに)読めるので、読みやすそうだなと。他にもいろいろ使えそうですが、正直、iPadの使い方は持ってから考えるかなと。新しいデバイスなので何をすればいいのか疑問に思う意見も多いそうですが・・・。
 パソコンを使っていない人から「パソコンって何ができるの?」と聞かれてどう答えれば一番いいのか考える時があります。「とりあえずメールやwebだけでも楽しいよ!」と答えるようにしています。その気になればその先に、映像編集やデザイン、写真、音楽など、目的があれば、趣味でも仕事でもパソコンは便利な道具になって自分を表現してくれます。10万円のパソコンで劇場公開映画も作れるし、世界を変えるアートや文章を作る事も。iPadも同じような気がします。「iPadって何ができるの?」というよりも、実際に使い始めて何をしたいのか、何が出来るのかが見えてくれば可能性は広がる気がします。広場があって「ここで何が出来るの?何をすれば?何で広場があるの?」と聞くよりも、その場所で自分がやりたい事を。出来ない事もあるけど、でも工夫と好奇心で楽しむ事は充分にできると思います。iPadはそういう新しい広場な気がします。


☆美術館

 今回はMoMAとメトロポリタン美術館へ。MoMAの企画展とメトロポリタンのエジプトのコーナーが面白かった。アートは、その作品にいかに自分を写し込めるか、作者の思いをくみ取れるか、そこに照らし合わせて、自分の中に何が見えるのか、感じるのか、だと思いました。
MoMAの企画展で、一人の女性アーティストが椅子に座って、希望者が彼女の前にある椅子に座って、ずっと見つめあっているというパフォーマンスをしていました。お客さんは好きなだけ彼女の前の椅子に座っていていいようです。僕が行った時は、ちょうど椅子には誰も座っていなくて、すぐに次のお客さんが座って、パフォーマンスが始まりました。そのお客さんは結局50分くらい座っていて、目と目を見つめあっていました。その間、二人ともに目をそらさないで座っているのです。僕もそばからずっと見ていました。アーティストと、その前に座っている人の心の微妙な変化を感じました。同時に僕の中にも変化を感じました。不思議なフィーリングです。50分くらいすると、ふいにお客さんは立ち上がって、すっとどこかに行きました。最後は一体感がありました。始めは緊張感や探り合う空気がありましたが、それが、ただ目を見つめているだけで変化する、変化したように感じる自分がいるということが面白くて、心を映せることがアートだと思いました。上手く説明できませんが。そしてまた次のおじさんがその椅子に座りました。彼は15分くらいで席を立ちました。心のトリートメントに近い感じがしました。
僕が以前に監督した「LIFE」という映画は美術館で(今はモニターもフラットで壁にかけられるし、9分なので簡単に見られるし、セリフもないのでどこの国の人も内容が分かるので)、絵と一緒に飾って100年後までも見て欲しいと思って作ったので、 こういう所で他のアートと一緒に見て欲しいなあと思います。
このEXHIBITIONのページ。今月いっぱいは生中継しています。
http://www.moma.org/visit/calendar/exhibitions/965


☆NYの感想


ある場所に行くことになった時に、自分にとって「どういう意味があるんだろう?」と考えます。なぜその場所に行くのか。行くことになったのか。
普段行って落ち着くのはヨーロッパで、時間の流れ方もゆっくりだし、芸術が溢れているし、カフェもいっぱいあるので休みながら自分のペースで過ごせます。芸術面ではやはりパリが世界の中心だなあと思います。で、ニューヨークはやはりビジネスの街です。そういう意味でこちらも紛れなく世界の中心で、時間の流れも速いし、世界中で動いている経済活動の息をダイレクトに感じます。NYにいると、舞台の上に立っている気分になります。世界という名の芝居、自分という名の芝居のステージに立っている感覚。きっと誰もがそう思えてしまう不思議な街。

 ニューヨークは僕が23歳の時、自分が何の職業に就くか悩んでいた頃に初めて行きました。役者になるか、映像製作の会社に入るか悩んでいた時期です。
当時、ニュージャージー側から夜のマンハッタンを見ていて、輝く光を見ていたら、自分もがんばらないと、この光に飛び込もうと思いました。その光の中には大勢の人がいて、みんな楽しく幸せになるために生きている。僕も走り始めないと、と思いました。「考えていてもしょうがない、走り始めよう!走り始めて、まわりの景色が見えるようになったら、行き先を決めればいい、とにかく動こう!」と。色々と頭で考えてしまっていた自分の背中を押してくれた街です。まずは役者の道をスタートさせて、その後、運良く監督業も始められました。僕がやりたいことは、芸術の面も有り、多くの人に見てもらうためにビジネスの面も成立させなければなりません。その空気を、たまにパリやニューヨークで感じさせてもらっている気がします。最近やっと、走る事の楽しさが少しずつ分かってきました。自分という名の舞台に立つ面白さが分かり始めた気がします。


 最初の決意から16年後、2008年にハッピーフライトというメジャー映画で主演作品を撮り終えた時にNYに久しぶりに来ました。そして今回、「三代目明智小五郎」という連続ドラマの主演作を無事に完成させたタイミングでまた来ました(NYは3回とも仕事で)。ドラマは自分なりに満足の行く内容になりました。とことんまでコメディを追求できる作品でした。見た人が幸せな楽しい気分になれて、その上で少しだけ人生に秘められた大切な何かを感じられる作品。子供の頃からコメディが好きで、10代でコントを作り始め、役者をやり始めてからも、人生の多様な面を表現するために、様々な感情や出来事に隠されたコメディの部分を追求してきましたが、この作品で自分なりにやりきった感じがあるので、これからは役者として、また違う部分を追求していくような気がしています。そういう意味で今回のNYは、次の段階に行こう!というタイミングだという気がします。また初心を思い出して、自分なりにこの世界を泳いでいく。これからもしっかりと前を見て歩いていこうと思いました。のんびりした性格なので、時には走って、休息して、進む、と。
旅の向こう側へ。
Life is Journey for fun.